【キーワード能力】TCGで学ぶ分かりやすい文章の書き方

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こんな方におすすめ
  • 分かりやすい文章を書けるようにしたいTCGプレイヤー
  • TCG、DCG、ボードゲーム開発者

当記事では、分かりやすい文章の書き方について、TCGのテキストを例に用いて解説していきます。

当記事を読むことで、分かりやすい文章の書き方が分かり、より分かりやすく文章を書けるようになるでしょう。

筆者
遊智
遊智

楽しく生活できる人を増やすために、ゲーム・TCG・ボードゲーム関連に合計2万時間以上使った経験を活かして、ゲーム・TCG・ボードゲームの知識を使った自分のレベルを上げる方法を分かりやすく発信します。
当サイトの運営もそれらの知識を活かして行っています。

キーワード能力は、TCGにおける専門用語

TCGでは、限られたテキスト欄で分かりやすく効果を書くために、キーワード能力を用いることが多いです。

キーワード能力には、以下の3つの特徴があります。

  • 一般的な言葉で説明するよりも少ない文字数で説明できる
  • 一般的な言葉でも、一般的な意味とは異なる場合がある
  • 知っている人にしか正しく伝わらない

そして、上記の特徴は、専門用語と同じです。

つまり、キーワード能力は、TCGにおける専門用語といえます。

専門用語の使い方

専門用語は、読む人のレベルによって、注釈文で説明したり一般的な表現と使い分けたりする必要があります。

例えば、新規プレイヤー(初心者)向けの商品であるスターターデッキやコラボ系のカードには、基本的なキーワード能力でも「速攻(このカードは、登場したターンにもアタックできる)」のように効果の内容が注釈文で書かれています。

一方、既存プレイヤー向けのカードには、注釈文がほとんど書かれていません。

なぜなら、キーワード能力の効果の内容を覚えているプレイヤーにとっては、注釈文が書かれていない方がシンプルで読みやすいからです。

また、注釈文を書くと1つのキーワード能力につき少なくとも2行程度はテキスト欄が埋まるため、実装できるカードの幅が狭まってしまうという問題も発生します。

既存プレイヤー向けのカードは、複雑な処理をする効果が多くテキストが長くなりがちなため、これらの問題が発生しやすくなります。

そのため、既存プレイヤー向けのカードには、注釈文がほとんど書かれていないのです。

既存プレイヤー向けのカードであっても、注釈文が書かれる場合がある

既存プレイヤー向けのカードであっても、キーワード能力の効果の内容が注釈文で書かれている場合があります。

それは、キーワード能力が新しかったり久しぶりに登場したものである場合です。

既存プレイヤーといっても始めた時期は様々ですし、長らく使ったり使われたりしていなければ効果の内容を忘れてしまうこともあります。

また、新しいことを覚えるには時間がかかります。

そのため、既存プレイヤー向けのカードであっても、注釈文が書かれる場合があります。

キーワード能力には、効果を覚えやすくする役割もある

キーワード能力には、効果を覚えやすくする役割もあります。

効果の内容に合ったイメージを持つ言葉をキーワード能力とすることで、効果を説明するだけのテキストにイメージが加わり、効果の内容を覚えやすくなります。

例えば、登場したターンにもアタックできる効果を[速攻]というキーワード能力で表した場合「このカードは、登場したターンにもアタックできる」という効果を説明するだけのテキストに、速攻という言葉が持つ『素早い』というイメージが加わります。

そうすると、テキストを読んだ人は、素早く動いているイメージから[速攻]=「このカードは、登場したターンにもアタックできる」と効果の内容を覚えることができます。

誤解されない文章とは?

例えば「次の自分のターン終了時まで、自分のカードは、相手のカードの効果を受けない。」というテキストのカードがあったとします。

この場合、読んだ人は

  1. 『次の』『自分のターン』終了時まで
  2. 『次の自分のターン』終了時まで

の2つの解釈ができます。

上記のカードを自分のターンに使った場合、1.の解釈では「『次の』『自分のターン』終了時まで」なので、今のターンが終了したら効果は消えます。

しかし、2.の解釈では「『次の自分のターン』終了時まで」なので、今のターンが終了しても効果は消えません。

つまり、読む人の解釈によって、カードの効果が変わってしまうということです。

読む人の解釈によってカードの効果が変わってしまうと、試合の結果のみならずゲームバランスやカードの需要にまで影響を及ぼします。

そのため、解釈の不一致が起こらないようにする必要があります。

解釈の不一致が起こらないようにするには、以下の2つの方法が挙げられます。

解釈の不一致が起こらないテキストを書く

次の自分のターン終了時まで、自分のカードは、相手のカードの効果を受けない。」

次に自分のターンが終わるまで、自分のカードは、相手のカードの効果を受けない。」

次の自分のターンが終わるまで、自分のカードは、相手のカードの効果を受けない。」

上段のテキストを下段のどちらかのテキストにすることで、解釈の不一致を防ぐことができます。

公式ルールに記載する

Q&A

Q.自分のターンです。自分は「次の自分のターン終了時まで」とある効果を発動しました。この効果は、このターンの終了時に消えますか?

A.はい。「次の自分のターン終了時まで」とある効果は、次に訪れる自分のターン終了時に消えます。

上記のように公式ルールに記載することで、解釈の不一致を防ぐことができます。

まとめ

  • 専門用語は、読む人のレベルに合わせて、注釈文で説明したり一般的な表現と使い分けたりする必要がある
  • 誤解されない文章を書くには、解釈の不一致が起こらないようにする必要がある

TCGのテキストには、読む人が読みやすいように様々な工夫がされています。

文章を書く時には、読む人が分かるかどうかを考えることで、より分かりやすい文章を書けるようになっていくでしょう。